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都内公立中学の内申点、かなり不公平だった

中学受験全般

読売新聞オンラインの記事「内申書、中学校の間でなぜこんなに違うのか…気になる成績評定」を読んで衝撃を受けました。

内申書、中学校の間でなぜこんなに違うのか…気になる成績評定
【読売新聞】編集委員 古沢由紀子  この時期、高校入試を控える中学生や保護者に重圧となってのしかかる「内申書」。生徒の教科の成績や様々な活動を中学校が記入し、出願先の高校などに提出する書類のことで、正式には調査書という。その様式や記

東京の公立中学の内申点は、てっきり相対評価(各評点の割合が最初から決まっている)と思っていたんですが、今は絶対評価だったんですね。

それでも、各評点の分布は結局、どの学校も似たようなものになるのかなと思ったのですが、下記ページ中段にあるリンク「「中学校等別評定割合」(個表)(PDF:2,281KB)」のPDFファイルを見ると、驚愕の事実が。

公立中第3学年・義務教育校第9学年 評定状況|東京都
東京都教育委員会は、学習指導要領の目標に準拠した評価の客観性・信頼性を確保するため、都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(12月31日現在)の評定状況の調査を、目標に準拠した評価が導入された平成14年度より実施しています。本年度についても、都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和3年12月31日現...

同じ区なのに、「5」の割合が学校によって大きく異なっています。

23区の同一区内で「5」の割合の差が目立つ事例としては、

国語:最小3.2%、最大36.8%(練馬区)

社会:最小2.2%、最大29.3%(世田谷区)

算数:最小3.6%、最大34.9%(江東区)

理科:最小4.3%、最大36.5%(中野区)

音楽:最小3.6%、最大38.9%(千代田区)

美術:最小6.1%、最大28.9%(世田谷区)

保健体育:最小4.3%、最大27.8%(中野区)

技術・家庭:最小4.5%、最大36.7%(渋谷区)

外国語(英語):最小4.1%、最大28.8%(練馬区)

なんと、「5」の割合は、最小の学校と最大の学校で10倍近く違っています。

40人のクラスで言えば、同じ教科で「5」を2人にしか付けない学校と、15人に付ける学校が存在するということです。

これ、保護者の立場からすると、たまったもんじゃないですね。

上記は各教科で一番目立つ事例を書きましたが、資料から、どの区も学校によって大きな違いがあることが確認できます。

特に、中野区のNo.5の学校の大盤振る舞い具合は際立っていて、平均で20%程度、「5」を付けています。

東京都の中で、やたら良い評点ばかり付ける学校がないか、評価基準のレベル感は合っているか、お互いにチェックする仕組みは働いているのでしょうか?

働いていないとすれば、高校受験で大きな割合を占める内申点(都立日比谷でも30%)の仕組みとしては、不公平と言わざるを得ません。

同じ区内の学校の間で、優秀な生徒の割合が10倍も違うなど、実際にはあり得ないからです。

学校によって基準が違うために、これだけの差が発生していると考えるのが自然です。

どう考えても、不公平だと思います。

都立日比谷など、難関都立高校進学を考える保護者の心理としては、良い評価がもらい易い、大盤振る舞いな学校を突き止めて、中学生の間はその学校に通わせたいと考えても、不思議ではありません。

内申のために、生徒会や部活を頑張るといった話があるくらいなので。

直近で騒がれている英語スピーキングテストより、こちらの方がよっぽど不公平、かつ配点も大きいので、まずはこちらをどうにかする方が先ではないでしょうか。

というか、内申点など、さっさと廃止してしまえば良いと思います。

もし、内申点というものが、学校が荒れることを防止する(先生の言うことを聞かせる)ための人質のような位置づけなのだとすると、本来の目的を見失った残念な話だと思います。

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