女子御三家とそれに並ぶ豊島岡は全て山の手線内にありますが、それに次ぐ難易度の洗足学園、吉祥女子、鷗友学園はそれより西側に存在します。
それぞれ、田園都市線、中央線、小田急線という、中学受験人口の多い路線に最寄り駅があるため、その路線から通う生徒が多いイメージがありますが、南武線や京王井の頭線など複数の路線を縦断する路線もあるため、思ったより通学エリアが広いのが実態です。
経済産業省中小企業庁事業環境部企画課調査室と内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局が提供している、地域経済分析システムの近距離移動時間分析のサイトで、特定地点からの特定の時間で行ける範囲を表示できるため、今回はそれを参照して地図に60分で通学できるエリアを書き込んでみました。
学校所在地から公共交通機関を使って60分で移動できる範囲(徒歩の時間も含む)を赤い枠で囲っています。
地図を見ると、本体の赤枠から独立した小さな赤枠がありますが、それは、小さな赤枠の駅の駅近なら徒歩の時間が短くぎりぎり60分以内になるが、ひとつ前の駅との中間地点だと徒歩の時間が長いので60分を超えるような地点ということです。
洗足学園の60分通学圏
田園都市線、東横線、小田急線、南武線の大半の駅が60分で通学できる範囲に入っています。
また、山手線内の南側3分の2程度のエリアも60分通学圏にあります。
最寄りの溝の口駅は南武線と田園都市線の両方が使え、また、田園都市線沿線、東横線沿線や山手線内南側の特に中学受験率が高いエリアが60分通学圏に入っていることから、受験生を集めるにはかなり有利な立地だということが分かります。
吉祥女子の60分通学圏
中央線、西武新宿線、西武池袋線、京王線の多くの駅が60分で通学できる範囲に入っています。
同校が公開している居住地毎の人数では、1位が杉並区で221人、2位が練馬区で169人、3位が世田谷区で93人となっており、イメージ以上に練馬区から通学する生徒が多いのですが、この地図を見ると納得です。
また、山手線内からのアクセスも良く、山手線内の大半のエリアは60分通学圏になっています。
鷗友学園の60分通学圏
小田急線、京王線、京王井の頭線、田園都市線の多くの駅が60分通学圏に入っています。
また、同校は小田急線と世田谷線の2路線が使えます。
ただ、世田谷線は路面電車で距離も短いため、通常の路線と比較すると、通学範囲の拡大への貢献は少ないです。
また、小田急線以外からの通学だと、井の頭線や世田谷線を使って2回乗り換えが必要になるケースも多く、洗足学園、吉祥女子と比較すると60分通学圏がやや狭くなっています。
環境的は落ち着いた場所にあるのですが。
立地の良い洗足学園、吉祥女子に挟まれ、偏差値的にもライバルになる鷗友学園
このように見ていくと、立地の良い洗足学園、吉祥女子は通学エリアもそこまで被っておらず、これからも共存していきそうです。
一方、その2校に挟まれ、通学エリアも被っている鷗友学園については、楽観できない状況です。
もっとも、偏差値が今より下がり、2校と競合関係でなくなれば、通学エリアが被っていることはそこまでデメリットにならなくなるかも知れません。
この3校の動向はこれからも注目です。