当ブログでは、高校の大学合格実績を「難関国立大現役合格率」で表現することが多いのですが、浪人を含めると合格率が大きく上昇する(=浪人して難関国立大に行く人が多い)学校と、浪人を含めてあまり変わらない(=浪人して難関国立大に行く人が少ない)学校があります。
この辺は学校の雰囲気に大きく左右されるところで、「うちは7年制の学校だから」「生徒の自主性に任せている」といった雰囲気の学校は必然的に前者が多く、面倒見が良く管理型に近い学校は後者という傾向が見られます。
それを数値で把握するため、今回は首都圏の男子校および共学校の難関校(難関国立大現役合格率が10%以上の学校)を対象に、難関国立大合格者に占める浪人の比率を算出してみました。
都立高は今回除外しています。
難関国立大現役合格率÷難関国立大合格率(浪人含む)が現役の割合なので、100%からそれを引いて浪人比率を算出する。
浪人比率は学年による変動が多いため、それぞれ2023年と2024年の平均値を使用する。
難関国立大現役合格率=東大、一橋大、東工大、京大、国公立医(防衛医除く)の現役合格者数の合計を卒業生数で割ったもの(東大医、京大医のダブルカウントはしない)
首都圏難関校(男子校・共学校)の難関国立大合格者に占める浪人比率(2023年、2024年の平均)
順位 | 学校名 | 難関国立大合格率 (浪人含む) | 難関国立大現役合格率 | 浪人比率 |
1 | 学芸大附属 | 20.8% | 11.3% | 46% |
2 | 麻布 | 42.9% | 26.2% | 39% |
3 | 武蔵 | 32.5% | 20.8% | 36% |
4 | 筑波大附属 | 30.3% | 22.0% | 27% |
5 | 開成 | 54.1% | 40.4% | 25% |
6 | 本郷 | 13.9% | 10.4% | 25% |
7 | 駒場東邦 | 42.1% | 31.6% | 25% |
8 | 筑駒 | 70.0% | 53.0% | 24% |
9 | 市川 | 16.3% | 12.3% | 24% |
10 | 渋幕 | 38.6% | 29.3% | 24% |
11 | 攻玉社 | 13.9% | 10.5% | 24% |
12 | 浅野 | 35.5% | 27.7% | 22% |
13 | 芝 | 18.6% | 14.8% | 20% |
14 | 海城 | 39.6% | 31.9% | 20% |
15 | 渋渋 | 37.5% | 30.6% | 18% |
16 | 広尾学園 | 14.0% | 12.0% | 15% |
17 | 聖光学院 | 54.9% | 47.0% | 14% |
自由な校風で有名な麻布、武蔵が上位に入っているのは想定通りですが、学芸大附属がそれを上回る46%という浪人比率となっています。
約半数は浪人での合格ということですが、浪人しても必ずしも難関国立大に合格できるとは限らないことを考慮すると、実際には50~60%くらいは浪人している可能性があります。
他に目を向けると、女子比率が比較的高い渋渋や広尾学園は20%未満となっています。
そう考えると、男子校なのに浪人比率が14%で、かつ約半数が現役で難関国立大に合格する聖光学院がいかに特殊であるかが良く分かります。