第2回合格力判定サピックスオープンの入試動向動画を視聴しましたが、とにかく男子の難関校(ここでは偏差値60付近以上の学校を想定)の志望者増加が印象的でした。
動画の中では、何故ここまで増えているのかについては言及されていませんので、少し考察してみたいと思います。
前提となる考え方ですが、偏差値というのは母集団の中での相対的な位置を示すものなので、サピックス6年生という母集団の中で、一定以上の偏差値の生徒の割合はほぼ一定です。
なので、昨年と6年生の人数が同じであれば、一定以上の偏差値(例えば60以上)の生徒の数もほとんど同じのはずです。
その場合、難関校の中での人気度合いの変動はあるものの、難関校全体の志望者を合計すると、結局は昨年と同様という結果が予想されます。
しかし、今年の男子の難関校の志望者数を見ていると、どの難関校も増えるか、悪くても昨年同様となっており、男子の難関校全体の志望者数自体が昨年より増えていそうです。
この原因ですが、以下の事象が合わさった結果だと考えています。
- 合格力判定サピックスオープンの受験者数(男子)の増加
昨年4500名 → 今年4800名(6%増加)
- 今年のサピックス6年生の成績上位層の中で、男子が占める割合が例年より多い
男女の点数差からの推測です。
受験者数の増加と合わせて考えると、偏差値60以上の男子が昨年より10%程度増加している可能性があります。
先日の記事に書いたように、第2回合格力判定サピックスオープンで男女差が更に開いたことも影響しています。
- コロナの終息により、安全志向ではなく一番行きたい学校を志望するマインドが復活
- 難関校の今年の大学合格実績が軒並み良く、チャレンジする価値が向上
なお、志望者数の増加は、現在の偏差値表に概ね反映されていそうなので、今の偏差値より更に難易度が上がるという訳ではないと思います。
ただ、海城の1回目については、実質的な偏差値は60くらいになりそうな気がします。