中高一貫校の入口偏差値の変動は、入学する生徒のレベルの変動を表すため、今後の大学合格実績を占う上で重要な情報です。
例えば、以前と比較して直近の偏差値が上がっている学校は、それだけ入学する生徒のレベルも上がっているため、今後の大学合格実績が伸びると予想できます。
その考え方に沿って、今年大学受験をした世代の入口偏差値(2017年9月のサピックス偏差値)と現在の偏差値(2024年9月のサピックス偏差値)を比較し、上昇幅が大きい学校を紹介していきます。
今回は女子校編です。
豊島岡
桜蔭の併願校として圧倒的な人気を誇る同校ですが、近年は第一志望も増えています。
それにより、合格者数が多い1回目入試、その次に合格者数の多い2回目入試の偏差値が7年前と比較して2上昇しています。
偏差値50前後だと2くらいの上昇は結構ありますが、この偏差値帯で2上昇というのは重みが違います。
既に高い医学部の合格実績を残している同校ですが、入学する生徒のレベルは確実に上がっているので、少なくとも7年後の2031年までは大学合格実績が更に伸びていく可能性が高いでしょう。
また、同校は高校募集を停止しており、来年の卒業生からは中学から入学した生徒のみになるので、率で見たときの合格実績は2025年の大学合格実績から確実に上がってくるでしょう。
洗足学園
1回目(1日)入試の偏差値が雙葉に並んだ洗足学園ですが、1日の偏差値は7年前と比較して5上昇しています。
また、受験者数が一番多い2回目入試も3上昇しています。
1回目、2回目入試の合格者が入学者全体の3/4程度を占めることを考えると、7年前と比較して入学者のレベルは確実に上がっていると言えます。
既に昨年、一昨年と東大合格者数20名以上を出している同校なので、入口偏差値の上昇を考えると、今後数年で東大合格者数が20台後半に達する可能性もあります。
そうなると、東大合格者数では女子学院と同等になってもおかしくなく、その結果を受けて更なる人気上昇に繋がる可能性もあるでしょう。
吉祥女子
吉祥女子は7年前の3回入試から近年は2回入試に変更されているため、単純な比較はできないのですが、入試回数が減っているにも関わらず、それぞれの入試回で偏差値が4、3上昇しています。
安定した人気を誇る同校ですが、近年の入学者のレベルは上がってきていると言えます。
勉強だけでなく、芸術系の道に進む生徒もいることで知られる同校ですが、少なくとも7年後の2031年までは大学合格実績が徐々に伸びていく可能性が高いでしょう。
鷗友学園女子
同校は1回目(1日)入試の定員が多く、第一志望の生徒を多く合格させることで知られていますが、その偏差値が5上昇しているということは、入学者のレベルがそれだけ上がってきていることを意味します。
1回目入試の偏差値が48の時代に入学した世代が今年の東大合格者数10名以上という結果を出しているため、今後はそれ以上の結果を出してくる可能性があります。