前回の記事で、麻布は2019年の入試結果を受けて偏差値が60から62に上昇したと書きましたが、そのことが分かる資料を紹介します。
グラフ:合格力判定SO偏差値と麻布入試結果の関係
このグラフは、サピックスから開示されている入試結果情報をもとに、合格力判定SOの平均偏差値と、入試結果(合/不合)の関係を表したものです。
入試分析会で配布される資料では、折れ線グラフで表現していますが、合/不合を合計した全体のボリュームが分かるように、不合格人数の上に合格人数を足した形のグラフにしています。
このグラフから分かること
このグラフから、以下のことが分かります。
- 2017,2018年は、偏差値62以上はほぼ合格していたが、2019年は62,64でも20%くらい不合格となっており、実態としては偏差値62相当の入試であったことを示している
- 受験者が最も多い偏差値帯は、56である
- 偏差値56でも、50%くらいは合格している
- 偏差値50未満の受験者も全体の10%くらい存在するが、合格率は数%である
麻布は暗記力ではなく、思考力重視の問題なので、仮に偏差値56だったとしても、過去問との相性が良く、過去問での最低合格点をコンスタントに超えている状況であれば、恐れずチャレンジするのもありだと思います。(過去問はちゃんと時間測って、やったことない問題というのが条件ですが)
なお、偏差値が2上がったのは、下のグラフを見ると良く理解できます。
縦軸を合格率にして折れ線グラフで表現したものですが、恐らくサピもこんな感じのグラフを作成して、判断しているんじゃないかと推測しています。
サピの偏差値は80%合格が期待できるという偏差値なのですが、このグラフを見ると、2017,2018年は合格率が80%なのはドンピシャ偏差値60ですが、2019年は61.5付近になっています。
偏差値64でも約80%だったことを考慮して、61ではなく62にしたという感じでしょうか。
麻布は2020年入試の志望者も今年を超えてきそうなので、来年も偏差値は下がらなそうですね。