先日、国土交通省から発表された「令和5年度 首都圏整備に関する年次報告」によると、子育て世代の東京近郊への流出が増加しているとのこと。
近郊4県に対する転出超過数が新型感染症前より大きく増加し、30代では3千人から8千人へと2倍以上に、40代も1千人から4千人へとおよそ4倍に増えている
国土交通省「令和5年度 首都圏整備に関する年次報告」より
また、転入先として選ばれているのは、以下のようにベッドタウンの役割を持つ自治体が多いということです。
30代の転入超過数の多い上位20市区町村(首都圏、令和5(2023)年)
出典:国土交通省「令和5年度 首都圏整備に関する年次報告」
順位 | 自治体名 | 転入超過数(人) |
1 | さいたま市 | 1,487 |
2 | 茅ヶ崎市 | 894 |
3 | 横浜市 | 855 |
4 | 流山市 | 687 |
5 | 町田市 | 682 |
6 | 柏市 | 629 |
7 | 千葉市 | 595 |
8 | 港区 | 551 |
9 | つくば市 | 525 |
10 | 江東区 | 514 |
11 | 八千代市 | 477 |
12 | 相模原市 | 470 |
13 | 平塚市 | 465 |
14 | 台東区 | 431 |
15 | 藤沢市 | 409 |
16 | 新座市 | 378 |
17 | 上尾市 | 358 |
18 | 川越市 | 313 |
19 | 久喜市 | 302 |
20 | 印西市 | 296 |
中学受験への影響
30代、40代の流出は人数にして1万人超ですが、全てが中学受験家庭とは限らないことと、1学年あたりの児童数に換算すると更に少ないので、直ちに大きな影響が出ることはないと思います。
とは言っても、当面はこの動きが継続することが想定されるため、数年後には中学受験世帯数が東京23区内では現在の10%減少し、逆に東京近郊では10%増加するという状況が起こっても不思議ではありません。
その場合、通学時間を考えると、東京近郊の学校が今より人気が出て、都心の学校はやや下がる(一部のトップ校を除いて)という影響が考えられます。
今より人気が出そうな東京近郊の難関校
東京近郊の難関校の中で、特に以下の学校は、立地も考慮すると更に人気が出る可能性があります。
- 渋幕
- 聖光学院
- 栄東
- 洗足学園
- 吉祥女子