2025年の中学入試はプチサンデーショックに該当します。
前回は2020年がプチサンデーショックに該当し、いくつかの女子校の出願者数に影響が出ましたが、そのときとは状況が違っているところもあるので、それも踏まえて2025年中学入試での影響を予想します。
サンデーショックとは
一部のプロテスタント系の学校では、入試日が日曜日にあたった年に、礼拝や安息日等の宗教上の理由から入試日を変更することがあり、中学受験業界ではそれをサンデーショックと呼んでいます。
2月1日が日曜日の場合は、女子学院なども入試日が変更になり大きな影響が出るのですが、2025年は2月2日が日曜日であるために、2月2日入試の一部の学校の入試日が2月3日に変更されることになります。
この場合は、2月2日および2月3日に入試を実施する学校の出願者数に影響を与えますが、そこまで影響が大きくないので、「プチサンデーショック」と呼ばれたりします。
つまり、2025年入試はプチサンデーショックに該当します。
2025年に入試日が変更される学校
既に、青山学院中等部が2025年の入試を2月3日(月)に変更することを学校ホームページ上で発表しています。(通常は2月2日が入試日)
これ以外にも変更する学校が若干あるかも知れませんが、前回の結果も踏まえると、プチサンデーショックによる影響としては、この青山学院中等部の入試日変更による影響がほとんどであると考えて差し支えないでしょう。
前回2020年のプチサンデーショックの影響
青山学院中等部は、2024年出願者数(男子 374名、女子 538名)を見ると分かるように、女子の志望者が多い学校です。
そのため、前回2020年のプチサンデーショックの際には、男子校にはあまり大きな影響がありませんでした。
その一方で、例年であれば2月2日に青山学院中等部を受けるはずだった女子が、プチサンデーショックによって2月2日は近い偏差値帯の別の女子校を受験することになり、以下の表に示す女子校の出願者数が増える結果となりました。
2020年プチサンデーショックの影響で2月2日入試の出願者数が増加した学校
学校 | 2020年 | 2019年 | 対2019年比 |
洗足② | 740 | 654 | 113% |
白百合 | 373 | 311 | 120% |
吉祥女子② | 959 | 899 | 107% |
ちなみに、この2020年の日能研結果偏差値は、
青山学院中等部(女子):61
洗足②:65
白百合:62
吉祥女子②:63
であり、偏差値帯が近いこれらの学校の出願者数が増加したことが分かります。
立地や偏差値が青山学院中等部に近いという点では、白百合に最も流れそうですが、事前の志望者数動向や予想倍率を見ながら分散した結果でしょう。
ここで注意しなければならないのが、2019年は東洋英和のB日程が通常の2月3日から2月2日に変更(2月3日が日曜日となるため)されており、それが2020年にはもとの2月3日に戻ったという点です。(2020年結果偏差値は59)
つまり、東洋英和Bの入試日変更が与えた影響分も多少含まれるため、2025年はこの影響分は差し引いて予想する必要があります。
ちなみに、2月2日入試の同じ偏差値帯には共学の明大明治①がありますが、この学校には影響がありませんでした。
青山学院中等部を受けるのは、あくまで青学に行きたくて受けるのであって、明大明治が併願できるならそっちも受けるという考え方ではないのかも知れません。
2025年のプチサンデーショックの影響
これらを踏まえて、2025年の影響を予想します。
現時点の日能研偏差値は、
青山学院中等部(女子):63
洗足②:65
白百合:63
吉祥女子②:64
となっています。
女子校の2月2日午前入試でこれより上となると、豊島岡①の67となりますが、代わりに受けるにはちょっと高過ぎます。
また、これより下の偏差値帯は58~62が空白地帯です。(2020年はこの偏差値帯にもう少し学校があったのですが)
つまり、青山学院中等部志望の女子が2月2日午前に受ける学校としては、前回2020年の時よりも、上記3校に集中しやすい状況と言えます。
結論としては、以下のような出願者数になると予想します。
2025年プチサンデーショックの影響による2月2日入試出願者数と倍率の予想
学校 | 2025年 出願者数 | 2025年 実質倍率 | 2024年 出願者数 | 2024年 実質倍率 |
洗足② | 750 | 3.6 | 649 | 3.1 |
白百合 | 370 | 2.9 | 292 | 2.3 |
吉祥女子② | 1100 | 3.6 | 1007 | 3.3 |
考え方
- 白百合は定員が少ない分、倍率が高くなりやすいため、出願者数の増加数としては他の2校より少なくなる(秋ごろの予想倍率を見て他に流れる)
- 洗足は2020年よりも偏差値の差が縮まったことで流れやすくなる
- 吉祥女子は「二月の勝者」20巻の効果による志望者増も含む
- 事前の志望校調査で倍率が高くなることが予想されると、2月3日に青山学院中等部を受験しない層も敬遠して他に流れるため、3校の増加数合計としては2020年と同レベルと予想
2月3日入試で出願者数が減少する学校
逆に、2月3日入試では青山学院中等部に流れるため、出願者数が減少する学校が出てきます。
以下の学校が減少すると予想します。
- 鷗友学園②(5%減予想)
- 東洋英和B(10%減予想)
- 学習院女子B(5%減予想)
2020年は鷗友学園②が前年比5%減、学習院女子Bが9%減であり、上記はそれも参考にした予想です。