AERA dot.の記事「偏差値が高い“憧れ校”より“安全校”が気に入った…勉強の進め方に悩む母に、中学受験のプロの答えは?」について。
【相談】憧れ校(持ち偏差値よりも8ポイントほど上)よりも、第二志望校(持ち偏差値より1~2ポイント下)の学校が気に入ってきてしまいました。諦めというよりは、幾度か訪れるうちに生徒さんの雰囲気やカリキュラム、教育観などが娘にしっくりくる気がしてきて、娘本人も親も同じ気持ちです。 まさに偏差値にとらわれず、気に入ったほうを第一志望に…と思うのですが、秋以降の過去問対策を含め、目標としては憧れ校を念頭に学習を進めたほうがよいのでしょうか。とても男の子っぽい性格で、安全圏を第一志望にすると気が緩んでしまうのでは?と少し心配です。(小6女子の母)
という相談に対して、きょうこ先生、矢萩氏がアドバイスするという内容です。
私ならこうアドバイスすると思います。
「娘さん、お母さんが気に入った第二志望の学校を、これからは第一志望にして、確実に合格できるように今から対策するべきです。憧れ校については、小6のこの段階で持ち偏差値より8も高いということは、現実的にはかなり厳しいため、そろそろ諦めて現実を見る時期です。」
その考え方は以下の通りです。
- 小6の段階で持ち偏差値より8も高い学校に、最終的に合格できる確率は良くても20%以下なので、そろそろ現実的な第一志望校を設定するべき
- 現時点で持ち偏差値より1~2下だからといって、その学校を「安全圏」を捉えてしまうのは中学受験を甘く考えている。特に女の子は6年生になって偏差値が下がるケースも多く、むしろちょうど良い難易度の学校と捉えるべき
- ちょうど良い難易度の学校を気に入ったのだから、それを幸運だと思い、前向きに考えるべき
この方の相談内容から、「持ち偏差値より少し偏差値が高いくらいは全然いける」という考えが伝わってきます。
この考え方は相当甘いです。
6年生になってから偏差値を上げることは、一部の出遅れ地頭勢を除いては相当に大変です。(1,2上げるのも大変)
また、持ち偏差値より高い学校の場合、合格率は一気に落ちます。
ましてや、憧れ校を第一志望校とした学習を進めた場合、折角気に入った第二志望に十分な対策ができず、結果両方とも残念というケースが懸念されます。
合格のためには、「偏差値的に足りている」+「その学校の入試問題に合わせた対策」が必要です。
持ち偏差値的と同程度の学校でも、その学校の対策がおろそかになっている場合、失敗の可能性が高まると肝に銘じるべきです。