2023年の都立高校入試から、ESAT-Jという前受けの英語のスピーキングテストを導入することについて、反対意見が出て揉めています。
少し前から結構ニュースになっていますね。
我が家には関係がないので、詳しく見ていなかったのですが、保護者が反対のプラカードを持ったりしている記事があったで、そこまでするのには何か理由があるのだろうと、ちょっと調べてみました。
その結果、上記リンクの記事にたどり着き、良く理解できました。
個人的な感想ですが、採点の基準が曖昧とか、採点者が信用できないかとは、全員同じ条件なので、正直大した話ではないと思います。
そんなのは誤差の範囲だと思います。
野球に例えると、ミスジャッジが多い審判がいるからと言って、試合をやりたくないとか、不公平だということにはならないですよね。
中学受験でも一般的な、記述がある試験は全て、採点者によって微妙に基準が異なる可能性はある訳で、それを言い出したらきりがないでしょう。
しかも、入試での配点は合計1000点に対してこの前受けテストの配点は20点ということで、割合はかなり小さいです。
では、ここまで揉めているの何故か。
最大の理由は、恐らく以下の点でしょう。
問題は、その場合の「不受験者」の点のつけ方です。
もし受けない場合、不受験者の点数は、「他の受験生の点数から算出される」ことが決まっています。
具体的には、2月に行われる本番の学力検査の「英語の筆記、リスニングテストの合計点」が「同じ得点」、あるいは「前後の得点」をとった「他の受験生のESAT-J(スピーキングテスト)の点数」を複数用いて、その平均点によって決められるのです。
つまり合否に関わる自分の点数が、自分と同じ得点、あるいは「前後の得点」をとった「他の受験生のスピーキングテストの点数」によって決まるという、極めて特殊な点のつけ方なのです。
出典:東洋経済オンライン「大紛糾の「都立高校入試」乱暴すぎる改革の中身」
日比谷、西などのトップの都立高校は不受験者が多くなるのではと予想されています。とくに日比谷の場合には、不受験者が3桁に届くのではないかとの懸念の声も出ています。
日比谷などのトップ校は、都内の国立中や中学受験をして私立中に通っている生徒、また都外の受験者も多いことで知られています。
神奈川、千葉、埼玉はもとより、入学のために母子で遠方から引っ越してくる家庭もあります。帰国子女や、私立中に通う「受験再チャレンジ組」まで含めると、都立トップ校の受験生の出身中学はさまざまです。
これらの生徒は、都内の公立中学で実施されるESAT-Jを受けなければならないという決まりはありません。するとどうなるか。
受験が必須である都内の公立中に通う生徒が、ESAT-Jの練習に時間をとられる中、それ以外の生徒は、限られた時間を「日比谷対策」「西対策」にがっつり充てるという選択もできるのです。
そして不受験者にとってはありがたいことに、日比谷などのトップ校を受ける生徒のESAT-Jの点数は、高得点に収まることが予想されます。ですから、自分が不受験であっても、高得点をもらえる可能性が高いわけです。
一方、都内の公立中に通い、授業などでESAT-Jの練習を組み込まれる生徒は、ESAT-Jを受ける流れにのみ込まれるわけですが、当然ながら、失敗したら一大事です。自分だけ受けない、とも言えず、必死でESAT-Jの練習をするしかないわけです。
出典:東洋経済オンライン「大紛糾の「都立高校入試」乱暴すぎる改革の中身」
この、都内の公立中から都立高校を受験する生徒が、私立や国立中、他県の中学の生徒より不利になるという問題点が、ここまで保護者の反発を招いている理由ではないでしょうか。
もし、反対している保護者の大半が都内の公立中の生徒の保護者だとすると、この推測は正しいはずです。
これが受け入れられないから、採点基準とかの問題点もいろいろ挙げて反対しているのかなと思いました。