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東大合格者数が偏差値に与える影響(駒場東邦編)

分析

その年の東大合格者数が増加したことにより、その学校の人気が上がったという話が良く出ますが、実際にどのような影響を与えるのか分析してみます。

今回は、駒場東邦の例です。

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駒場東邦:東大合格者数と偏差値の推移のグラフ

グラフの見方

東大合格者数:その年の東大合格者数(例えば2020年に記載しているのは、2020年3月の合格者数)
偏差値:その年に受験した学年におけるサピックス偏差値(例えば2020年に記載しているのは、2019年実施の合格力判定サピックスオープン後の偏差値)
注意点:例えば2014年に東大合格者数が増加したことの影響が出るのは、早くて翌年の2015年に受験する学年になる

考察

以下の2つの事象から、東大合格者数は翌年以降の偏差値に影響を与えていると考えられます。

・2014年、2015年と東大合格者数が急増した後、2015年に偏差値が60⇒61に上昇
・2016年、2017年に東大合格者数が60人以下に低下した後、2018年に偏差値が61⇒58に急落

グラフ上で、東大合格者数を表す赤い折れ線を2年程右にずらすと、偏差値を表す青い折れ線の形に近くなるので、そのことからも、n年の東大合格者数はn+1年~n+2年後の入試における偏差値に影響していることが分かります。

最新のサピックス偏差値では、駒場東邦の偏差値が58⇒59に上昇しましたが、これは2019年、2020年の東大合格者数が再び増加してきたことも要因になっていると考えられます。

駒場東邦の場合は、それ以外にも
・2019年のスキャンダル&校長解任騒動から時間が経過したこと
・立地的にも比較検討対象となる麻布の2020年の東大合格者数が減少し、それなら駒場東邦の方がリーズナブルと考えられること
といった要因もあるでしょう。

駒場東邦は、麻布のように最初から志望している熱望組が少ないイメージがあるので、進学実績を見て決める層が多いと考えられ、東大合格者数が人気が直結しやすい側面もあるのではないかと考えられます。

結局どう考えるべきか

結論としては、直近の東大合格者数だけを見て、その学校を判断するのは得策でないと考えています。

その年の東大合格者数は、6年前に入学した生徒のレベル(入口偏差値)や、前年に浪人した生徒の数という、その学校の教育の質と直接関係ない要素にかなり左右されるため、直近数年間トータルで見るべきです。

もっと言うと、学校選びで大事なのは、入った学校から多くの東大合格者が出ることではなく、我が子の能力をどれだけ伸ばしてくれるかなので、その年の東大合格者数が多かったことにより志望者が増えて倍率が高くなる中で志望するのは、逆に損とも言えます。

その年の東大合格者数が増えたからと言って、急にその学校の教育の質が変わる訳ではないのです。

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