サピックスでは、6年生の後期の保護者会でも過去問の取り組み方法について案内があるので、9月には過去問に着手し、この時期は既に多くの過去問を解いている状況だと思います。
しかし、過去問は漫然と解いてしまうと、折角の価値を生かせないことになってしまうので、兄の時の経験をもとに整理してご紹介します。
過去問を解く目的
過去問を解くのは、大きく以下の4つの目的があると思います。
- 志望校に合格する力があるのか確認する
- 対策が必要な苦手分野を把握する
- 時間配分など、その学校特有の注意点を把握する
- その学校の試験形式に慣れる
志望校に合格する力があるのか確認する
特に第一志望校の過去問については、これが重要な目的のひとつになります。
志望校に合格する力があるのかを確認するためには、実際の試験と同じ条件で過去問を解き、その年の合格最低点や合格者平均点と比較することが必要です。
12月の段階で、本番と同じ条件で直近数年の過去問を解いた結果で以下のように判断できます。
- 合格最低点を超えている年が多い
⇒ 期待できる - 上記に加えて合格者平均点に達している年も多い
⇒ さらに期待できる - 半分くらいの年で合格者最低点を超えている
⇒ これからの伸びしろ次第で十分期待できる
個人的には、学校別サピックスオープンの結果よりも、直近数年の過去問の結果の方が入試結果に直結すると考えています。
ただし、過去問の中に、SS特訓などで解いたことがある問題が入っていた場合は、その分点数が高く出てしまうので、点数をそのまま鵜呑みにしないことが注意が必要です。
対策が必要な苦手分野を把握する
入試に向けた最後の仕上げとして、弱点分野の強化をするための材料になります。
サピックスから配布される「出題傾向リサーチ」を見ると分かるように、学校によって毎年出る分野や、数年に一回出る分野があります。
過去問で出た分野は、今後も出る可能性がある分野なので、過去問で出来が悪かった分野については、最優先で強化すべきです。
時間配分など、その学校特有の注意点を把握する
例えば、桜蔭の算数は50分間ですが、計算量が多く時間に余裕がないと言われているので、実際に時間を測ってやってみることで、どの程度のスピードで解かないといけないのか把握できます。
時間が足りなかったのであれば、解けない問題があった場合に何分くらいで見切りをつけるかなどの、入試の際の方針に反映させる必要があります。
その学校の試験形式に慣れる
学校別サピックスオープンなどで、その学校の回答用紙に近い形式は経験すると思いますが、実際に本物の過去問を解くことによって、その試験形式に慣れることができます。
過去問の取り組み方法
兄の場合、第一志望校と併願校では、解く時期も対象も変えました。
時期については、12月末までには完了させるべきです。
入試の直前に過去問をやっても、結果が悪ければ自信を失うし、対策する時間もないからです。
第一志望校の過去問
6年生の9月から12月にかけて、過去10年分を解きました。
前年や2年前の過去問は、最終的にその学校を受験することを確定させる際の材料にするため、最後の方までとっておく方針としていました。
なので、9月に10年前の過去問から開始し、12月に入ってから前年分、2年前の分を解きました。
9月に実施した1年分以外は合格最低点を超えていたので、合格力判定サピックスオープンの結果も合わせて考えるといけるだろうと判断しました。
併願校の過去問
併願校の過去問にまで時間をかける余裕はないので、第二志望校については直近5年分程度を解きました。
第三志望校については、偏差値的に余裕があったのと、1年分解いてみた点数がかなり楽観できる点数だったので、ほぼ確実に合格できると判断してそれ以外は解いていません。
また、合格しても行く予定のなかった1月校については一回も解いていません。
多くの学校の対策をすることは無理なので、第一志望校、第二志望校にフォーカスし、その学校の対策に注力した方が良いと考えています。
過去問を解く際の注意点
できるだけ本番と同じようにやった方が良いです。
実力よりも高い点数が出てしまうと、正しい判断ができなくなってしまいます。
- ストップウォッチを使って実際の入試と同じ時間でやる
- 集中できる環境でやる
- 解答用紙はA3対応プリンタを使って本番と同様のサイズに拡大コピーして準備する
- 必ずしも1日でその年の全教科の過去問を解く必要はない
- 部分点のある問題の採点は、親もチェックして甘すぎる採点にならないようにする
- 既にやったことがある問題が入っていた場合、その分は少し点数を割り引いて判断する
- 原則12月末までには完了させる
- 同じ問題が出ることはないので、一度やった過去問を繰り返し解くようなことは意味がないのでやらない