ここにきて大きな問題となっている、女子受験生に不利な入試制度について。
東京都教育委員会などは、9月21日に来年度の東京都内の都立・私立高校の入試などについての協議会を開き、段階的に男女別定員制を見直していく方針を決めたということです。
社会は性別による差別を無くしていく方向に向かっているので、これは良いことだと思います。
一方、7月のBuzzFeed.Newsの記事「「成績順にすると女子が圧倒的に多くなってしまう」共学の私立中学受験、女子が不利になるのはなぜ?」には、慶応や渋渋など、男女で意図的に合格基準に差をつけている学校の見解が書いてあり、参考になります。
読んでいて驚いたのが、渋渋の訳分からん回答です。
【渋谷教育学園渋谷中学校】
渋谷教育学園渋谷中学校は、学校ウェブサイトの「よくいただく質問」のページで「合格者の男女比率を考慮していますか?」という疑問にこう答えている。
《基本的には成績順で男女比を考えずに合格者を決定します。ただし、合格者の男女比バランスが7対3、8対2などの場合、男女の合否ラインに差をつけることもあります》
入試対策部の担当者は取材に対し、次のように説明した。
「男女比を考えずに成績順で合格者を決定しているのは、開校(1996年)以来変わっていません。理由としては、成績順に合格者を出していけば、男女関係なく入学者のレベルが一定になると考えているからです」
「男女比を考えずに成績順で」と言いつつ、実際には女子の合格最低点の方が高い。この点はどう考えればいいのか。
「合格最低点を一緒にしてしまうと女子の数が増えてしまうため、入学者がほぼ半々になるように男子の合格最低点を下げています。ただし、大幅に差がつかないようにとは考えています」
出典:BuzzFeed.News「「成績順にすると女子が圧倒的に多くなってしまう」共学の私立中学受験、女子が不利になるのはなぜ?」
渋渋は、近年では毎年、性別で合格基準を操作していることが分かっています(なので男女で合格最低点、80%偏差値が違う)が、あたかも、特別な場合にのみ実施しているかのような学校Webサイトでの回答です。
また、記事中でも突っ込まれていますが、「男女比を考えずに成績順で合格者を決定しているのは、開校(1996年)以来変わっていません。理由としては、成績順に合格者を出していけば、男女関係なく入学者のレベルが一定になると考えているからです」という、事実と反する(=嘘)回答をしています。
結局は、最後に書いてある、「入学者がほぼ半々になるように」したいというのが本音だと思うので、最初からそう言えばいいのにと思いました。
ただ、その本音は、学校の都合によって女子だけが不利を強いられるという結果を招くため、もう受け入れられないでしょう。
学校として、決断の時は近づいていると思いますが、いかがでしょうか。