この時期は、サピックスの合格実績のページが日々更新されていきます。

今年のサピックス生のレベルを測るひとつの材料として、既に合格発表がされている学校について、昨年の合格者数と比較してみます。
既に合格発表されている学校で、難関校かつ有意な数値(十分大きな数値)が出る学校としては、渋幕が最適なので、昨年の同じ日付(1月30日)時点での合格者数と比較してみました。
2019年:320名(在籍者数:5516名)
2020年:302名(在籍者数:6013名)
2021年:347名(在籍者数:6300名推定)
合格者数は、渋幕一次入試全体の合格数に左右されるので、それも調べてみます。
2019年:751名(サピックス占有率:43%)
2020年:630名(サピックス占有率:48%)
2021年:682名(サピックス占有率:51%)
昨年は2019年と比較して、一次の合格者数が100名以上減って衝撃を与えましたが、今年はそこから約50名増加しました。
考察
合格者全体に占めるサピックス合格者数の割合は51%(恐らく過去最高)に増加しています。
そのことから、サピックスとしての今年の2月校の合格実績も近年最も良い結果になることが期待できます。
ただそれは、サピックスの生徒個人として手放しで喜べるものかと言うと、そうではないでしょう。
と言うのも、サピックスの在籍者数が年々増加していることが大きな要因として挙げられるからです。(極端な話、全ての受験生がサピックス生になれば、当然のことながら占有率は100%になる訳なので)
生徒個人としては、サピックスという母集団のレベルがどの程度なのかが重要なのですが、それを測るためには、サピックス在籍者数に対する合格者数の割合が参考になります。
2019年:5.8%
2020年:5.0%
2021年:5.5%
2020年については、先に述べたように、渋幕一次全体の合格者数が10%以上も減った影響があるので、実質的には横ばいでしょう。
つまり、こういうことです。
- サピックスの母集団のレベルとしてはここ3年は横ばい
- その一方で生徒数が増加している分、サピックス全体の合格実績は上昇している
- 今年も生徒数は5%程度増加しているので、2月校の合格実績も5%程度の増加は期待できる
現在、サピックスは少数精鋭よりも生徒数を拡大させる方針に舵を切っているので、母集団のレベルが横ばいで済んでいるのは、むしろ良い結果と考えるべきでしょう。
ただ、個人的にはこれ以上の生徒数の拡大は、母集団のレベルを下げる結果になると考えています。
優秀な生徒の集客には限界があるし、優秀な教師の数にも限界があるからです。
いずれにしても、サピックス生の皆さんには、自信を持って2月入試に臨んで欲しいと思います。