以前、サピックスの生徒数が増加することによって予想される影響について書きました。
その時には言及しませんでしたが、今後更に生徒数が増えていった場合、偏差値表(80%判定偏差値)にも影響が出ると考えています。
各校の80%判定偏差値が上昇する
増加する生徒の層による偏差値への影響の違い
ご存じのとおり、偏差値とは、集団における位置(成績)を50を中央値として示す値です。
従って、生徒数が増えるときに、例えば、
- 偏差値60の生徒
- 偏差値50の生徒
- 偏差値50の生徒
- 偏差値40の生徒
というように、既存の集団に近い分布で生徒が増える場合には、所属する生徒の偏差値に影響はほとんどありません。
しかし、例えば、
- 偏差値50の生徒
- 偏差値50の生徒
- 偏差値40の生徒
- 偏差値40の生徒
というような分布の生徒が増える場合には、集団の平均得点が下がることになるため、所属する生徒の偏差値は少し上昇することになります。
どれくらいの生徒が増加するのか
新4年の長女の所属する校舎のクラス数は、長男のとき(4年前)と比べて1.5倍近くになっています。
校舎により増加の具合は異なると思いますが、新校舎の追加等もあるので、全体としては4年間で1.3~1.4倍になるのではないでしょうか。
そうすると、2019年受験の生徒数が約5500名に対し、2023年受験の生徒数は7000~7500名になると推測されます。
2020年受験の生徒数が約6000名なので、それから更に1000~1500名増加ということになります。
生徒の増加により成績の分布はどうなる
今年、サピックスは生徒数が約1割増加したにも関わらず、御三家レベルの学校の合格者数は昨年並みでした。
これは、御三家レベルに合格できるキャパシティを持った子供の確保できる数が頭打ちになっている可能性を示唆するものです。
そう仮定すると、今後の生徒の増加により、成績の分布は今より若干下に分布すると考える方が自然です。
その結果どうなるのか
生徒の成績の分布が、今より若干下に分布するということは、生徒の偏差値が少し高めに出るようになるということです。
それは、サピックス偏差値と日能研偏差値とでは、日能研偏差値の方が高く出るのと同じ原理です。
そうなると、偏差値表に掲載されている80%判定偏差値もそれに応じて高くする必要が出てきます。
例えば、今まで偏差値60あれば80%合格できた学校が偏差値61でないと80%合格とならないということです。(学校の難易度は変わらない前提で)
数値上のシミュレーションができている訳ではないので、頭の中のイメージとなりますが、長女が受験する3年後に、偏差値表に掲載されている各校の偏差値が0.5~1程度上昇する可能性があるのではないかと思っています。
どう受け止めるべきか
これはあくまでサピックスの母集団の変化による、偏差値表への影響であり、学校に合格することが難しくなるという話ではありません。
もし今後、サピックスの偏差値表の各校の偏差値が全体的に上がったら、上記の可能性があると考えれば良いのです。