東洋経済オンラインの記事「「学力差の要因は遺伝が50%」教育格差の解決策」が興味深いです。
これを読むと、中学受験との向き合い方を考えさせられます。
行動遺伝学の立場から見れば、子どもの学力に対する影響力は、遺伝が約50%、家庭環境(親の社会経済的地位など)が約30%、残り(いい先生と出会う偶然や本人が変えられる要素)が約20%です
この内容、私の実感と一致するし、納得感があります。
というのも、中学受験で子供に算数を教えている時に「さすがにこの難易度の問題を解かせるのは無理」という、難易度の壁を感じる問題が一定数ありました。
サピックス偏差値で65以上の子なら解ける問題と言えば伝わるでしょうか。
自分自身、算数、数学が苦手ということはありませんでしたが、自分が中学受験していたとしても、こんな問題を解くのは無理だったろうなということは、感覚的に分かります。
算数のできる、できないというのは特に遺伝の影響が大きいと感じています。
実際、サピックスの知り合いで算数がずば抜けてできる子がいましたが、その子の兄弟も同様に算数がずば抜けていたということを知り、やっぱりそうだよなと思ったことがありました。
やはり、選ばれた者にしか到達できないレベルが存在するというのは、二人の子供の中学受験で強く感じました。
中学受験との向き合い方
学力が遺伝の影響を大きく受けるということは、中学受験で到達できるレベルも当然遺伝に大きく影響されるということを、親がきちんと理解することが重要です。
そして同時に、それは子供の成長過程における、「中学受験でのテストの出来」という、限られた領域での結果に過ぎないということを理解することも必要です。
その子が持っている能力に合わせた努力は必要ですが、それ以上を求めたり、他の子と比較して責めたりするのは厳禁です。
中学受験を経験して感じることですが、入る学校によって子供の潜在能力が変化する訳ではありません。
レベルが高い学校に入れば、周りの子に合わせて能力が伸びるイメージがあるかも知れませんが、実際にはそんなことはなく、子供にあった環境を得るために中学受験をしているというのが実際のところです。
子供を責めたりせず、あくまで応援に徹し、自己肯定感を失わなければこの先上手くいくはずだと信じて、背中を押してあげることが親の役目だと思っています。