コロナの影響で学習の遅れが深刻化している中、大学入試の試験日程を遅らせることや、受験機会を増加させることが検討されているとのこと。
そうなると、中学入試や高校入試についても同様に試験日程の見直し要請が来る可能性もありそうです。
今回は、もし中学入試の日程が後ろにずれた場合に発生することを考察してみます。
中学入試日程が後ろにずれた場合に発生すること
もし、中学入試日程が後ろにずれる場合、受け入れる中学校側の新学期に向けた準備期間等も考慮すると、どんなに遅くても3月初旬には入試を終了している必要があるでしょう。
従って、ここでは、通常は2月初旬に実施される中学入試が、2月末~3月初旬にずれたと仮定して考えます。
合格難易度が変動する
中学入試における各校の合格難易度(偏差値)は、同じ日に入試を実施する他の学校との兼ね合いで変化するものです。
分かりやすいのが2月1日で、この日は男女御三家を含めた人気校が一斉に入試を実施するので、生徒が分散し、今の偏差値を形成しています。
これがもし、開成は3月1日、麻布は3月2日、武蔵は3月3日に変更するようなことになれば、御三家全て受験することも可能になってきます。
そうなると、受験者は数倍に増加し、学校側は辞退者を考慮して多めに合格者を出す必要があり、といった感じで難易度も大きく変動することなり、予測不能な状態になると思われます。
したがって、実際に日程を変更する場合には、各校が申し合わせて、もともと予定していた日程に一定の日数を加算した日にずらす(各校の入試日の関係性を維持したままずらす)ようになるはずです。
しかし、日曜日には入試を実施しないプロテスタント系の学校や、頻繁に入試日を変更する学校の存在により、予想と異なる入試日になる可能性があり、それによって難易度が変動する可能性があります。
そうなると、併願校を再検討する必要が出てくる可能性があります。
通塾期間が1か月増加する
直前まで入試対策を実施する方が良いに決まっているので、塾としては1か月延長すると思われます。
その場合は、1月までのカリキュラムは今まで通り実施しつつ、サピックスであればSS特訓の期間を延長することで、実践演習を多くこなす形になるでしょうか。
細かい話ですが、塾の月謝も1か月分多く払う必要があります。
サピックスオープンの日程変更
今までの日程でサピックスオープンを実施してしまうと、12月に実施される第4回合格力判定サピックスオープンから入試までの期間が長くなり、不安を感じる状況となります。
そのため、第4回合格力判定サピックスオープンを1月に実施するように日程を調整することが予想されます。
最後に
上記の話は、現時点ではあくまで推測です。
冒頭に書いた大学入試の日程見直しの検討については、6月に方針が出るようなので、まずはそれを待つ必要があります。
大学入試では多くの私立大学が併願可能となっていますが、中学入試では、日程が同じ日に集中しており、そのバランスによって難易度が形成されているという特徴があるため、日程見直しについては、より慎重に検討すべきだと考えています。