先日、AERA dot.の記事「「中学受験沼」にハマった48歳エリート会社員の悲劇 「偏差値35」から“御三家”狙う息子に何度も手を上げた」の内容の一部について疑問があると書きました。
下記リンクがその記事ですが前編と後編があるので、両方読んでから、下記内容をご覧になることをおすすめします。
「中学受験沼」にハマった48歳エリート会社員の悲劇 「偏差値35」から“御三家”狙う息子に何度も手を上げた | AERA dot. (アエラドット)
「沼にはまる」という言葉がある。何らかの対象に夢中なることを意味するが、時には、沼にはまりすぎて、仕事や家庭がないがしろにされ、崩壊寸前までいく人もいる。ライターの沢木文さんはそんな人々を取材して…
以下に疑問に思った点を書きます。
- 小学校受験をさせようとする程に教育への関心が高い妻がいるのに、主人公の父親が子供が小学5年生の頃に同期との飲みの席で話を聞くまで、中学受験事情を知らなかったというのは考えにくい
- 「息子を麻布学園に入れよう」とあるが、中学受験で麻布志望の人が、運営母体である「麻布学園」と正式名称で呼ぶケースはかなり少なく、本当に中学受験を経験した人の発言と思えない(普通は「麻布」、「麻布中」と呼ぶ)
- ネット上での中学受験の話によく出てくる、エクセル親父的な話(PDCAとかスケジュールとか)が盛り込まれている
- 同じくネット上での中学受験の話によく出てくる、受験前の学校休ませの話が盛り込まれている
- コンビニでA3拡大コピーしていたという記述があるが、家庭教師を付ける余裕があるのに、中学受験で必須と言われている数万円のA3プリンターを買わないというのは考えにくい(中学受験家庭なら分かると思いますが、過去問のコピーとか大量にあり、コンビニでA3コピーしてたらきりがないので、普通はすぐにプリンター買おうとなります)
- 中学受験であれば関与せざるを得ないはずの妻の関与が全く書かれていない
- 補欠合格したという「都心近郊にある新興の名門校」というのが実在するのか怪しい
・「都心近郊」という言い方がおかしいのは置いといて、「都内の自宅から1時間近くかけて通学」とあるので東京都内の外周区に存在している学校と思われる
・「東京の外周区」かつ「新興校」かつ「名門校」かつ「社会的に“すごいですね”と言われる」かつ「GMARCH(学習院・明治・青山・立教・中央・法政の六大学の総称)に多数の合格実績がある」という条件になりますが、言ってることが無茶苦茶だし、該当する学校があると思えない
これらの要素は、ひとつひとつの要素だけで見れば、「考えにくいけど、中にはそういう人もいるのかな」という程度ですが、それが複数あるので、率直に言って、これって本当の話なのだろうか?と疑わしく思えてしまいます。
- 大半が脚色(フィクション)だが、脚色する側がネットの情報などから集めたネタで書いているので、詰めが甘くなっている
- (ノンフィクションだとすると)この父親が中学受験に関して、相当に無知だった(としても矛盾が多い気がするが)
のいずれかに思えてしまいます。(個人の感想です)